御殿峠、七国峠のレポとなります。
御殿峠、七国峠について
全国に存在する七国峠、七国山ですがこちらは東京都八王子市と町田市の境にある鎌倉古道となります。
こちらの古道は鎌倉時代(1185年)ごろより、旧東海道から伊勢原、厚木、津久井より相原を経由して八王子の甲州街道に至る重要な街道でした。
本来の目的で使用されていたのは明治時代までのようですが、現在も昔からほとんど変わらぬ状態で残っている貴重な古道の一つです。
七国峠とは関東の七州(武蔵、相模、甲斐、信濃、安房、下総、上野)が見えたことからそう名付けられたようです。
アクセス
今回は御殿峠から山に入って、七国峠、七国山へと至るルートを紹介します。
御殿峠からだと最寄駅は八王子みなみ野。
近くに駐車場はないので公共交通機関を使ってのアクセスをお勧めします。
八王子みなみ野から御殿峠までは徒歩でアクセスできます。
距離は1.9キロ。
時間にして25分ほどです。
復路も駅までやや距離があるのでバスを使うのがお勧めです。
七国峠の近くに南大船のバス停があるのでこちらを利用しましょう。
時刻表はこちらです。
平日、土日ともに1時間に三本ほどでているようです。
御殿峠からスタート
取材時はあいにくの雨・・・
ですが七国峠の古道は沢や危険箇所などはないので、雨でも問題なく通行できます(おすすめはしませんが・・・)
この信号を右に曲がります。
現在の御殿峠は国道が通り病院や結婚式場などが立ち並んでおりますが、元々はこの付近に峠の山頂があったようです。
その山頂を切り開いて国道を通したようです。
ですが国道の西側には戦国時代から続く古道が今でも残っております。
しかしその古道への取り付きがわかりにくいのです。
目印は下の結婚式場の駐車場入口。
そして結婚式場駐車場の真裏に「ここは駐車禁止」との標識があります。
ここに取り付きがあるのです。
藪が茂っていると特にわかりにくいのですが、よーくみると虎ロープがあります。
結構な急斜面なのでこの虎ロープを使って登っていきます。
尾根に出ればルート的にはいたって明瞭。
踏み跡くっきりの古道が1500mほど続きます。
大きな溝跡が今でも残る鎌倉古道は複数の道が並行して残っていることから、昔は相当交通量が多かったのでは?と言われております。
御殿峠古道は最大幅が10mを超える堀溝状で、深さも場所によっては3m以上あることも。
ですが起伏はあまりないので歩きやすい道でもあります。
大勢の人が使う道なので当然と言えば当然ですが。
ここで分岐があります。
御殿峠古道には標識がないので初めてだと迷う可能性があります(とはいってもどこの道を通ってもすぐに街に出れるので遭難する可能性はないと思いますが)
七国峠方面はこちらの道です。
こちらの分岐は右へ。
一旦舗装路に出ます。
この分岐は左です。
しばらく車道を進み・・・
ここが七国峠への取り付きです。
こちらも特に標識などはでていないので、注意深く見ていないと通り過ぎてしまいます(初めての時私がまさにそうでした・・・)
はじめはゆるやかな登りです。
しばらくするとまた分岐があるので左にすすみましょう。
こちらが七国峠古道となります。
御殿峠古道に比べるとより整備されており、道幅も広くなっております。
峠の周辺には古道跡や関所跡を思わせる人工的な地形がみられます。
古道は八王子側にもありましたが、今では消滅し、今は町田市側のみになってしまいました。
古代は多くの方が利用していたこの古道ですが、現在は利用者も少なく静かな場所です(取材時もすれ違った人はいませんでした)
ちなみに晴れの時の七国峠の古道はこのような感じです。
取材時は6月中旬なので緑も濃くなってきておりましたが、こちらは冬に撮影したので景色的には少々寂しいものとなっております。
途中でガードレールのようなものが出てきます。
これは景色的な景観を損なう、と感じる方もいるかもしれませんね。
幼稚園横を通過していきます。
この付近は公園のような雰囲気です。
一箇所だけですが、町田市を一望できるビュースポットもあります。
取材時は雨だったので真っ白でしたが・・・
晴れているとこの通り、なかなかの景色です。
七国峠古道も多少のアップダウンもありますが、アクセント的なものなので大したことはないです。
ハイキングというよりお散歩感覚で歩けると思います。
七国峠到着
こちらが七国峠です。
奈良時代にはすでにあったようで、明治の頃には相模川から海路で横浜へと絹製品を運ぶシルクロード(絹の道)としても使われていたそうです。
そしてこの標識を左です。
こちらの出羽三山供養塔から右手へ進むと七国山山頂へと行けます。

七国山山頂
こちらが七国山山頂です。

三角点もあります。
ですが三角点以外は山頂感のない山頂でして、七国見渡せる七国山のはずなのに現在は全く展望はありません。

晴れの日の七国山山頂はこのような感じです。
「おめでとう2019」というラインが引いてありますが、これは元旦に行われたマラソン大会の運営が引いたもののようです。
展望はありませんが、ベンチは二つほどあるのでちょっと休憩するには最適な場所でもあります。

さて、またこちらの標識まで戻ってきました。
ちなみに右側は「行き止まり」とありますが実際は行き止まりではありません。

右方向に進んでいくと・・・

五分ほどでこちらの給水所横に出てきます。
そしてここから街に出れます。

まとめ
かつては武士や山の民、海の民が行き交う古道だったようですが現在は訪れる人は少なく、静かな山歩きを楽しみたい方にはうってつけです。
現在も残る貴重な古道ですので歴史に興味がある方にももちろん、お勧めできます。
自宅から比較的近いところにあるので私はトレランで利用しております。
本文中にも記載したように基本はフラットで適度にアップダウンもあり、さらに人も少ないのでトレランには最適なのです。
昔の人たちが歩きやすいように作られた古道なので当然走ることにも適しております。
最高点である七国山も223mしかないので「登山」という感じではありませんが、ちょっとしたお散歩やハイキング、トレランにはとてもいい古道だと思います。
七国峠、御殿峠などの資料はほとんどありませんが以下の書籍にはこちらの七国峠や御殿峠、近くの多摩丘陵などが詳しく記載されております。

みくぞう

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