山に登るようになって海外の山にも自然と興味が向くようになりました。
日本は山だらけの国なので日本国内の山だけでも十分楽しむことができます。
でも山に登れば登るほど
「海外の山はどうなんだろう?」
って興味が湧くようになってきました。
ですが海外となると費用面や言葉の壁など国内と比べてハードルがいくつもあります。
私は現時点では、そのハードルを乗り越えることができず海外の山はネットや本だけで満足しております。
「いつか行ってみたいな」と思う一方で、行動に移せないのですよね。
しかし、世の中にはとんでもなく行動力がある方もいるものです。
今回紹介する「一歩を越える勇気」の筆者である栗城史多氏もそんなとんでもなく行動力がある人の一人でしょう。
筆者について
栗城 史多氏
冒険の共有」をテーマに全国で講演活動を行いながら、年に1、2回ヒマラヤ地域で高所登山を行っている。エベレストには単独無酸素登頂と頂上からのインターネット生中継 を目指し、2009年9月チベット側、2010年9月ネパール側から挑んだが、8,000mに達することが出来ず敗退。2011年8〜10月に前年と同じネパール側から3度目の挑戦をしたがサウスコル7900mに達せず敗退。2012年10月に西稜ルートから4度目の挑戦も強風により敗退。この時に受傷した凍傷により、のちに両手の指9本を切断。2015年の5度目、2016年6度目、そして、2017年7度目のエベレスト登山も敗退した。
:WIKIより
内容について
本書は破天荒ともいえる登山の記録です。
筆者がマッキンリーに単独登頂するところから始まります。
マッキンリー(現在はデナリに名称が変更されたようです)は北アメリカ最高峰の山です。
標高は6,190m
ですが比高はあのエベレストよりも高く、気温も低く(最低気温は−73.3℃)その高度差から酸素も薄く、植村直己氏や山田晃氏もマッキンリーで亡くなっております。
そんな山に当時、ろくに雪山の経験もない筆者が挑んでいくのです。
当然、周囲からは反対されますがそれでも筆者は決行してしまいます。
素人に毛が生えた程度のスキルしか持っていなかった筆者はクレバスに落ちて死にかけたり、高度障害を経験したりとまあ悲惨な目にあっています。
また、食料を食べ過ぎてしまったり、激しい頭痛がしているのに無理をして登ったり、と
普通の登山の常識とは懸け離れた行動も目立ちます。
結果、筆者は生還できたわけですがこれは運が良かっただけであり、いつ死んでもおかしくはない状況だったと言えます。
ですからネット上の書評を見ると結構筆者への批判が目立ちます。
まあこれ見て真似するような人(いないとは思いますが)などが出てきたりしたらまずいですもんね。
しかし読み物としては面白いです。
普通の人はまずできないようなことをバンバンやっているので痛快さがあります。
登山家としてだけでなくビジネスマンとしてもこの人は優秀だということもわかります。
登山を通じて自分の力のみで大金を稼ぐ能力は素直に凄いと思います。
また、「こうしたから自分は成功できた」
登山家としての生き方や精神論など、本書は自己啓発書に近い面もあります。
純粋な登山記録を期待するとがっかりするかもしれませんが、学ぶべきところは多かったので面白く読めました。
まとめ
多くの人はこの筆者のような真似は出来ないでしょう。
とにかく常識破りな場面が多々出てくるので読み進めていると筆者を批判したくなったり、苛立つこともあるかもしれません。
ですが世の中にはこういう人もいるんだな、と広い心を持って読めばきっと楽しめる本だと思います。
そしてマッキンリーをはじめとする山々の厳しさも知ることができるでしょう。
みくぞう
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