甲州高尾山に登ってきたのでレポします。
目次
甲州高尾山とは
山梨県甲州市に位置する標高1106mの山です。
過去に数度山火事があった不運な山として有名です。
もともとは展望がきかず、あまり人が訪れない山だったようですが、皮肉にも山火事で展望が開けたことで多くの人が訪れるようになったとか。
山頂付近の尾根は大パノラマが広がり、南アルプスや富士山まで見渡すことができます。
なお、八王子の方のあの高尾山とはなんの関連もないようです。
アクセス
最寄駅はJR勝沼ぶどう郷駅から。
JRなので都内から公共交通機関を使ってアクセスする場合は青春18切符での利用がお得です。
実際に私も青春18切符を利用して鈍行列車で訪れました。
駅から登山口までも比較的近いのでアクセスは比較的いい方だと思います。
勝沼ぶどう郷駅からスタート
おとなりの塩山駅には訪れたことはありますが、こちらの勝沼ぶどう郷駅には初めて訪れました。
平日だったためか、駅員はおらず無人でした。
この駅近辺は名前の通りぶどうの産地、ぶどう畑やワイナリーなどが周辺にあります。
甲州高尾山と絡めてぶどう狩りなどを楽しむのもいいと思います。
駅を出て正面からの景色。
駅は高台にあるのでいきなり素敵な景色を眺めることができました。
遠くにはぶどう畑が見えます。
しかし8月の猛暑日に訪れた為、暑い・・・
駅前には何台もタクシーが停車しておりました。
他の方のブログや登山記録をみると登山口までタクシーを利用する方が多いようです。
ですが一人で乗ってしまうと2000円以上かかってしまうので、とてもではありませんが手が出せません。
といいますかトレイルランナーであるならばタクシーを使うのは邪道という意識がある為、登山口まではもちろん走っていきました。
そして驚くことに駅にもぶどうが実っていた!
まずは大日影トンネル遊歩道へと向かいます。
ですがなんと現在は閉鎖してしまっております。
なんでも平成27年度末に実施した「トンネル健全度調査」において、漏水および経年劣化への予防対策が必要だった為、という理由のようですがこのように現在は立ち入ることができません。
もともとかなり歴史のある鉄道トンネルでして以前は中まで入ることができたようですのでちょっと残念ですね。
ちなみにこのトンネルの中から異様なまでの冷気が漂っておりました(一応つけくわえておきますが心霊スポットなどではありません)
登山口まではロードを走って行きます。
日差しを遮るものがなかったのではやくも汗が吹き出しました。
道中はあちこちにあるぶどう畑をながめながら行きました。
一応紙袋で保護されておりますが、鳥やクマが食べたりしないのでしょうか?
大善寺コースから登山開始
駅から2キロほどで大善寺近くにある登山口に到着しました。
見逃しやすいところにあるので、私は一度通り過ぎてしまいました。
こちら側から登る方は十分注意した方がいいです。
登り始めてすぐのところにある東屋にあったメガネ。
忘れ物だと思われますが、普通メガネって忘れるものでしょうか?
小さなお寺が東屋の近くにあります。
登り始めはゆるやかですが、本当に最初だけです。
ここからしばらくはひたすら急なつづら折が続くことになります。
森の中に入れば若干暑さは和らぎましたが、それでも猛暑日。
早くもばててしまいました。
有害獣対策用の柵。
よく登山口でみかけるおなじみのものですが、触れてみると太陽熱でめっちゃ暑くなってました。
そして「楽しい登山を!」というありがたい一言が添えられておりますが、今回はどちらかというと楽しさよりも「苦しさ、辛さ」が勝った登山となってしまいました・・・
裏側にはこのようなメッセージが
「お疲れ様!!
気をつけてかえれしー
また来おしょー」
言わんとしていることはわかりますが、これが甲州弁というやつですか?
そしてこちら側のコースの特徴はやたら倒木やら細い枝やらが多い。
一言で言うと登山道が荒れているのです。
これも山火事 よる影響か、それとも先日の台風による影響かはわかりかねますが、非常に歩きにくかったです。
走るなんてもっての他でして、下りもやたら急ですしこのコースはトレランには向いていないと思います。
そして山火事による影響で木々が少ないのがもう一つの特徴です。
標高が高ければまだましだと思いますが、低山ですのでダイレクトに暑さが伝わることになりました。
それが容赦なく体力を奪っていきます。
普段、私はそれほど休憩を取らずガンガン登っていくのですがこの日は途中でなんども足がとまり、こまめに休憩をとらなければ進めませんでした。
急なため、なかなか進まずGPSをみるたび
「まだこれしか進んでいないのかよ」
と絶望しました。
そしてこの時点でようやく、登る時期と山の選択をミスったことに気づきました。
途中で傾斜がゆるむところもあるのですが、このように日当たりが大変良好なところが多く、かんかん照りの日差しを直接受けながら進むことになりました。
帽子やサングラスは装備しておりましたが、それでもかなり参ってしまいました。
まだ5キロも進んでいないのに、そのあまりの暑さときつさからなんども「引き返すかどうか」考えてしまったほどでした。
人力ではとうてい不可能なほど激しく折れた木。
これは山火事ではなく、落雷によるものでしょうか。
こまめに休憩を挟み、水分・塩分を補給しながら進んだのが功を奏したのか、復活。
結局進むことにしました。
そしてなんて読むかはわかりませんが、第一の山頂に到着!
ここまで本当にきつかった!
手前の木々が少し邪魔ではありますが、なかなかの景色を拝むことができました。
ですが暑い・・・
甲州高尾山山頂に到着
そしてようやくお目当てである甲州高尾山に到着!
駅からここまでは2時間ほど、大した標高の山ではありませんがいつもよりきつかった分、達成感が凄まじかったです!
甲州高尾山からの景色は先ほどの山頂よりもよかった!
あっついけどこういったいかにも夏を感じさせる緑が青々と茂った山々の景色は最高ですね。
山頂からしばらくは大滝不動尊へと向かいます。
縦走もできるようですが、水分が十分ではなかったのと体力的な問題で今回はやめました。
大滝不動尊までは下りがしばらく続きますが、相変わらず倒木やらでトレイルは荒れており走りにくかったです。
ですが徐々に滝の音が近づいてきます。
途中にあったやたら真新しい神社。
最近たてられたものでしょうか。
一方でこちらはふるめかしい神社。
個人的にはこういった年季の入った神社の方が山では雰囲気的にマッチする気がします。
大滝不動尊到着
そして大滝不動尊に到着しました。
まず目に飛び込んできたのは本殿よりもその名前にもある滝でした。
写真ではあまり伝わらないですが、かなり大きな迫力のある滝でしたよ。
季節によって水量は変わっていくようですが、夏場でも水量は十分だと感じました。
こちらが大滝不動尊の本殿。
塗装がド派手でとても立派です。
ちなみに現在は無人で御朱印をもらうこともできません。
この水道を止めないでください。
と書いてありましたが、出ませんでした。
管理も長らくされていないのかもしれません。
こちらの長い階段を下っていきます。
振り返るとさきほど以上に迫力のある大滝がおがめました。
また、この一帯はモミ、ツガなどの自然林が多く見られ、ミツバツツジ、コアジサイなども咲くようです。
無人ではありますが、山梨県指定の自然環境保全地区となっているので自然環境はとてもいいようです。
また、今回は見ることはできませんでしたが大滝不動尊の裏山には雄滝や髪洗滝といった名の滝があり、付近一帯にはツガやミツバツツジなども群生もあるようです。
展望台からは甲府盆地が一望もできます。
下山開始
大滝不動尊から下山開始です。
下山ルートは全て舗装路でして正直面白くないです。
駅から大滝不動尊までタクシーで使う方がほとんどのようですがその理由がよくわかりました。
反対側は急登続きですしね。
なお、途中で工事をしており車両通行中となっておりました。
歩行者は一応通れるようですが、車は通れないので現在(2018,8/3時点)ではタクシーを使うにしても直接大滝不動尊までは向かうことはできません。
まあとはいっても工事区間から大滝不動尊までそれほど長くはないので、問題はないと思います。
下山時の唯一の見所。
というか嬉しかった点は水場です
地図には乗っていなかったのでまさかあるとは思いませんでした。
飲めるかどうか不安がありましたが、こういうパイプを通されているものは基本的に飲める、と以前何かで見たのでそれを信じ飲んでみました。
すると猛暑日でも水場の水はキンキンに冷えており大変美味でした。
ですが水場の時点でコースアウトしていたことに気づき少し戻りました。
わかりにくいですが途中で分岐点があったようです。
分岐点はこの橋の少し手前にあります。
なんの標識もないのでわかりづらいですがこちらが正しい下山路。
途中で見かけたキャンプ場。
かなり広いキャンプ場だというのに現在休業中とのことです。
来る途中にもあった動物避けの柵
高電圧!危険!触るな!とありますが普通に触っても大丈夫でした。
おそらく上部にあった金網のことを言っているのだと思います。
このあとも延々と舗装路が続きます。
炎天下の中、舗装路を走り続けるのはかなりきつかったです。
まとめ
今回は大善寺から登り、滝山不動尊から下るというルートをとったわけですが、正直こちらのルートはあまりお勧めできません。
なぜなら本文中にも書いた通り、まずひたすら急な登りが続くのと後半は駅まで延々と舗装路が続くからです。
とにかく急登が好き!長い林道歩きも苦にならない!むしろ大好物!
という方にはいいと思いますがそういった方はあまりいないと思うので・・・
やはり駅からタクシーで大滝不動尊まで向かい、そこから大善寺に向けて下りていくのがベストかと。
そうすれば長い林道を一気にショートカットでき、なおかつ大滝不動尊からの登りは緩やかでそれほどきつくはないと思うので。
大滝不動尊から登れば体力にあまり自信がない方も、初心者の方でも楽しめると思います。
そしてこちらの甲州高尾山は夏には全くお勧めできません
やはり遮る木がない場所が多く、太陽光を直接受けることになるので熱中症になるリスクもより高くなると思います。
私は真夏に登ったわけですが完全に登る時期を間違えましたね・・・
それでも終わってみたら「楽しかった」となるのが登山の不思議なところですが。
登るならば桜が綺麗な春(大善寺付近が特に綺麗なようです)
紅葉が見られ、気候的にも不快さのない秋がベストでしょう。
私も季節を変えて今度は縦走でまた登ってみたいと思います。
みくぞう
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