最近、ハイカーにもトレランシューズが浸透してきているように感じます。
すれ違うハイカーの足元がトレランシューズだった、というケースが珍しくないように思うのです。
走ったりはしないけど、トレランシューズを履くのはやはり「軽さ」を求めてのことだと思います。
私は少し前まではハイカットの登山靴を使用していたのですが、今は走らない登山・ハイキング時にもトレランシューズを使用するようになりました。
やはりトレランシューズの軽さ、というものは行動速度や疲労にも直結し、快適さも全く異なってきますからね。
ですが多くの方は「トレランシューズでも登山は出来るのか?」という点が気になっていると思います。
そこでトレランシューズのメリットとデメリットを考慮した上でまとめてみました。
目次
トレランシューズとは
まずはトレランシューズについて。
トレランシューズとは文字通り、山を走るための専用の靴です。
見た目はランニングシューズと大差ありませんが舗装された道とは違う不安定な山道を快適に走れるようにグリップ力やクッション性が高めで、石や岩から足を保護するためアッパー部が強化されていたり、と細かい部分が大きく異なります。
そして山道を走る事ができれば、当然歩く事も出来るわけです。
なら登山靴なんか必要ないのでは?となりそうですがもちろん良いところばかりではありません。
ですので個人的に感じたトレランシューズの良い面、悪い面を考えてみました。
トレランシューズの良い面
・軽い
まずは何と言ってもこれ。
登山靴から履き替えた方は特にその軽さを実感出来ると思います。
上記でも触れたように軽さは疲労や行動速度に直結する部分ですので疲れにくく、早く歩けます。
・登山靴に比べたら値段が安め
登山靴はエントリーモデルでも結構なお値段がしますが、トレランシューズであれば一万円以下のモデルも結構あります。
スニーカーを買う感覚で比較的気軽に買う事が出来るのは大きな魅力です。
・脱ぎ履きがしやすい。
これもスニーカー感覚で簡単に脱ぎ履きが可能です。
ですが登山靴はそうはいきませんよね。
特にハイカットとなるといちいち靴紐を解かなければいけないので面倒です。
・見た目がかっこいい
全体的にスタイリッシュでカッコイイ靴が多い気がします。
もちろん、機能が一番だということはわかっておりますが、やはり見た目がカッコイイと履いているとテンションが上がるんですよね。
一方の登山靴はどうかというと仕方ないのかもしれませんが、全体的にもっさりとした靴が多いような気がします。
・ロードに強い
ソールの厚い登山靴の弱点はロード(舗装路)歩きに向いていない事だと思っております。
登山靴を履いていた頃は必ずロード歩きで足裏が痛くなり、それが悩みでした。
しかしトレランシューズは登山靴と比べればソールが薄く柔らかいので、ロードを歩いても足裏を痛め難いのです。
走らない登山時でも駅から登山口まで距離がある場合、多くは舗装路を歩いて行く事になると思います。
そんな時にもトレランシューズは役立ってくれます。
トレランシューズの良くない面
・防水機能がついていないモデルが多い。
これは下手に防水機能をつけるとシューズ内が蒸れるためだと思いますが、雨がふったり沢を歩いたりするとすぐに濡れてしまいます。
防水でない分、通気性や水はけが良いモデルが多いため、すぐに乾きやすいのですがやはり靴下などはびちょびちょになるので濡れてしまうと快適とは言い難いです。
ここも防水がしっかりとしており、多少の雨でもへっちゃらな登山靴とは対照的です。
ちなみにゴアテックスのトレランシューズも一応あるにはあります。
・足首が保護されていない
私の知る限り、ハイカットのトレランシューズはなかったと思います。
ローカットであるということは藪や草木、それに蛇などに弱いという事です。
藪漕ぎには全くの不向きで、私は一度試した事がありますが足首が保護されていないので足がすぐに痛くなってしまいました。
また、怖いのはうっかりと蛇を踏んでしまった時です。
踏まれると蛇は条件反射で噛み付いてくると言いますが、この時ハイカットの登山靴を履いていれば蛇の牙が素肌にまで届く事はまずないでしょう。
しかしローカットのトレランシューズであればまず間違いなく蛇の攻撃を防ぎきれないはずです。
幸い、私はまだ蛇に噛まれたことはありませんが噛まれる可能性は残念ながら十分あるでしょう(地面と同化しているような色の蛇も多いので誤ってふむ可能性は十分考えられる)
・値段が安めの分、耐久性に難あり
あくまで登山靴と比較した場合ですが、これは間違いなくトレランシューズの方が耐久性は劣るでしょう。
ランニングシューズと比べたら剛性は増しているとはいえ、登山靴と比べれば貧弱なものです。
ですからソールが剥がれたり、アッパーが破けたりといったトラブルもトレランシューズの方が多いようです。
その分、買い換える頻度もトレランシューズの方が高めかもしれません。
そういった点を考慮するとコスパという面ではどっこいどっこいかもしれませんね。
・寒さに弱い
通気性がいいので夏はいいのですが、逆に言えば寒さには弱いという事です。
・砂や石が入りやすい
脱ぎ履きがしやすい反面、ゴミも入りやすいです。
これは正直、結構ストレスになります。
まとめ
で、結局トレランシューズで登山するのはありなのか?
というと結論としては「十分登山でも使えるがリスクもある」という事。
トレランシューズの弱点はやはり防御面だと思うのです。
足首の捻挫は諸説ありますが、やはりローカットだと不安な人は不安でしょう。
そして藪や蛇、雨や寒さなど自然の脅威をトレランシューズでは防ぐ事はできません。
特に雪は危険です。
さすがに雪山にトレランシューズで挑む方はあまりいないと思いますが、まず間違いなく雪はあっという間にシューズ内に浸透してきますので、下手すれば凍傷になる可能性もあります。
ですので雪山は寒さにも濡れにも強いハイカットの登山靴で行く事を強くオススメします。
そしてトレランシューズでの登山はリスクがあるので、強くオススメする事はできませんがリスクを受け入れる事ができるというのであれば一度履いてみてはいかがでしょうか。
私はこの軽さ、快適さに慣れてしまったのでもう雪山以外では登山靴は使う事はなさそうです
みくぞう
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