登山は特別なスキルや経験がなくても出来るスポーツだと言われております。
確かにクライミングを除けば、ただ歩くだけで山頂に到達できてしまう山が日本には多いです。
それはとっつきやすいというメリットもありますが、同時にそこに落とし穴があります。
それは自分の体力レベルに見合わない山にも登ってしまいかねない、ということです。
遭難の要因の一つとして「体力不足」というのがあります。
特に体力が衰えてきている中高年の方は体力不足に陥り動けなくなる、などということが多いようです。
山で何より怖い遭難を防ぐためにはどうすればいいか?
また、山で使う体力についてまとめてみました。
まずは山での体力について詳しく説明していきましょう。
行動体力
こちらは体を動かし、行動する身体的な能力を示した体力です。
行動を起こす能力、行動を持続する能力、行動を調節する能力、の三つに分かれております。
登山でいうと「長時間歩く」という基本的な行動に使う体力がこの行動体力です。
防御体力
こちらは外界からのストレスに対する自動調節能力のことです。
登山で言えば寒さ、暑さ、低酸素、高酸素、低圧、高圧などに対してどれだけ耐えられ、体が調節できるかを示す体力です。
防御体力が低ければ、低体温症や熱中症、高山病などにかかるリスクが上がります。
これら二つの体力は年齢とともにゆるやかに低下していきますが、どちらも普段生活してる分には気づきにくいのがネックです。
自分の体力レベルにあった山を選ぶのが重要
昔はスポーツをやっていたり、登山経験がある方だと自分の体力を過信する傾向にあり、自分の現在の体力レベルより上の山に行ってしまうことがあるようです。
そして途中で疲労により動けなくなり救助要請を出す、というパターンが最近とても増えているようです。
ですので重要なのは自分の体力レベルにあった山を適切に選ぶということです。
山でのトラブル(道迷いや怪我)などに対応できるように自分の体力の6〜7割程度で登れる山が理想です。
ですが問題はどうやって自分の体力レベルを計るのか、ということです。
自分の体力レベルを計るには
便利な時代になったもので今は良いものがネット上にあります。
それがこちら
鹿屋体育大学、山本正嘉教授が開発した「マイペース登高能力テスト」というものです。
これを参照することで自分の体力レベルがどの程度のものかある程度、計ることができます。
テストの結果はメッツという単位で表示されており、低山ハイクでも6メッツの体力が必要であり、無雪期の一般的なコースを標準タイムコースで歩くと7メッツもの体力が必要であることがわかります。
登山がいかに運動強度が高いスポーツであるかがわかりますね。
また、登山ルートを登るのに必要な体力とコースの難易度などをレビューした「山のグレーテイング」というものもあります。
こちらの記事を参照にしてみてください。
長野、新潟、山梨、静岡、岐阜、栃木、群馬の山に登る際には参考になると思います。
これらが作成されたのは自分の体力レベルに見合った適切な山を選び、遭難を防ぐためです。
まとめ
定期的に山に登っていれば、体力は自然についていきます。
ですからはじめは登りたい山ではなく、自分の体力レベルにあった山を選ぶのが大切です。
また、山によっては鎖場やハシゴ、高度感のある岩場など歩く以外の技術も必要となってきますし、雪山の場合にはアイゼン・ピッケル・サングラスなどの道具が必要となってきます。
技術や時期の見極め、そして事前のリサーチも重要となってきます。
今は本だけでなく、インターネット上に有益な情報もたくさんあるため、それらをフルに活用して自分に適した山を登るようにしましょう。
みくぞう
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